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現場からの報告。製造業でAI/IoTを活用するために必要だと思うこと

製造業に勤めるエンジニアから見た製造業でAI/IoTを活用するために必要だと思うことです。

はじめに

「2025年の崖」と言われているように、製造業にとってデジタルトランスフォーメーションが喫緊の課題となっております。新興国が品質とコストで猛追するなか、工場にいて日本の厳しさを感じるんですよね。 もはや「日本の品質って本当にいいの?」って思ってしまいます(まぁうちの工場だけかもしれないけど!)。 とはいえ人口減少する日本にとって、高付加価値品の製造が必要なのは明白であり、特にAI/IoTというのはその大きな試金石となっていると思います。いちメーカでAI/IoT担当(かっこ笑いw)をしている身から現場の感覚をお伝えできればと思います。

言いたいことは下記の3点です。 ・本部機構にだけAI・IoT推進課を作っても無駄 ・買い物だけでは不十分、プログラミングレベルの全体の底上げが必要 ・既存のIT担当者は障害になる場合も

本部機構にだけAI・IoT推進課を作っても無駄

大企業で多いのは、工場とは離れた本部機構にAI/IoTの専門部署を作ることですよね。これ、本部だけに作るとうまくいかないパターンだと思います。というのは、AIを活用していくにあたって重要なのは、質のいいデータと現場にカスタマイズされたソフトだと思います。その点、本部にいる人が工場の既存のデータもよくわからないまま新しいデータを取るのって至難の技だと思います。加えて、新しくデータを取り始めたとしても日々起こるトラブルにすぐ対処できず工場任せにするようだと 本部「いいデータが上がってこないから解析できない」 工場「データとるのどんだけ大変だとおもってんねん!」 となる可能性が高いです。結局、本部だけに推進グループを設置するのは不十分で、工場にメインの担当チームを置かないとダメなんですよね。本部にグループ設置すること自身はいいことだと思いますが、本部だけでうまくいくなんてありえないのではないかと。

買い物だけでは不十分、プログラミングレベルの全体の底上げが必要

あとありがちなのが、買い物で済ませようってのも多くあると思います。やれTableauだ、やれDataRobotだ、そのほかにもDataSpiderやSensorCorpusなど高い買い物して「うちはAI/IoTやってる」と満足しているパターン。これって使いこなせないという意味で本当にもったいないと思います。日々の製造で活用するにはカスタマイズが必要で、どこかで自分でコード書く必要があります。この必要性を理解せずにツールを買っても片手落ちってものだと思います。

既存のIT担当者はむしろ障壁になることも

3つのなかでこれを一番いいたい。バブルの時代に建てられた工場なんかだともう30年近く経っています。うちの工場もそれくらいなのですが、こういった工場にありがちなのがシステムのレガシー化です。どんな感じかというと、例えばうちの工場ではOracleを使っているのですが、SQLでデータベースに接続すると怒られます。 既存のIT担当「接続して不安定になったらどうするんだ」 「・・・・」 Oracleにコマンドで接続してSQLでselect文発行して怒られるっていったいなんなんですか(30年前のGUIソフトでかちかちクリックしてデータを取得するのです)。。こんな状態でAI開発なんてむりですね。一悶着の末select文の発行だけさせてもらっても、なにかあると全部新しいコードがスケープゴートにされますので日々ひやひやものです。 Oracleに接続するbatファイル書いていて申し訳なさでいっぱいになるんですけど、かなしい。。悪いことしてるんだっけ!?加えてタチが悪いのは、既存の担当者の知識が一世代前のものだということです。問題起きて説明しても 「Pythonおれわからないから!!」やる気完全になくします。

対策

以上を踏まえて、製造業でAI/IoTを活用するためにわたしが思う必要な対策を下記に記載します。

本部にだけAI・IoT推進課を作っても無駄

→本部にはとても助かっています。でも、工場側にもチームが必要だと思います。 1. データの質を担保するインフラ担当、 2. データベース管理やAPI管理を行うバックエンド担当、 3. そして生技の業務に合わせてカスタマイズするフロントエンド担当 が必要です。共通化できるアルゴリズム開発などは本部に任せてもいいかもしれないですけど、でも、工場のなかにメインのチームが必要だと思います。

既存のIT担当者はむしろ邪魔になることも

→これきついですね。はっきりいって辟易しています。トラブル避けるために、AI/IoT用にはデータ回線、データベース、サーバは完全に分けられたら理想ですね。データベースはMySQLを立てて、サーバはGCPやAWSも使ってパソコンでもなんとかなるし、データ回線もセカンドイーサで分けちゃう。それでもデータ通信量が多くて他のソフト止まったと言われたら心の中で笑います、そして泣きます。

全体の底上げが必要

全員のプログラミングに対する理解が必要です。自分は関係ないと思っているひとたちのなかで根付かせるのは大変ですが、スタッフはある程度理解が必要なのではないでしょうか。「手順の決まっていることを自動化するツール」という名目で勉強してもらうのもいいと思います。

最後に

AI/IoT使いこなしたら素晴らしいと思うけど、日本の製造業課題多いなぁと。なにかにつけて古いし、固着してますよね。。工場いちから作り直したら簡単だけどね!って。あぁ、もう新興国の勝ちですね〜。・・・っいやいや!!

Meditation Tools開発者
絹田 雅
複数の瞑想を学ぶことができるMeditation Toolsの開発者。 売上は人権段階を通じた寄附により社会をより良くすることに使われます。 利用はこちら
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